この世にSCM(Supply Chain Management)という言葉が生まれてから、かなりの時間が過ぎた。今では、多くの企業がこのSCMを経営戦略上の重要課題として位置づけるようになっているが、その一方で、実際に成果を上げている企業は決して多くない。そのうえ、聞こえてくるのは「SCMは難しい」、「どのように取り組んだらよいのか分からない」といった消極的な言葉ばかりである。いったいSCMのどこが難しいのであろうか。本稿では、プロジェクトを失敗に終わらせる要因の1つともなっている誤った“SCM神話”の正体を暴くとともに、今、CIOが目を向けるべき“本質”を明らかにしたい。 今岡善次郎 ビジダイン 代表取締役/コンサルタント 依然として高いSCMへの関心度 筆者が1998年3月、日本でおそらく初めてのSCMタイトル書籍である『サプライチェーンマネジメント』(工業調査会)を上梓してから、早