煙草のある人生は素敵だ。何せ文学との相性が抜群なのだ。小説と煙草、場合によっては、それに酒とセックスなどが加わる。これらは最高のマリアージュとして、我々のDNAの最深部に刻み付けられていると筆者は思っている。健康志向の科学者や医者達が何と言おうと、だ。 喫煙者というだけで、まるで害悪そのものであるかのような風当たりの昨今。非常に肩身が狭い。周りに配慮するのは当然だが、それは何を好むにしても同じこと。愛煙家は好きなものを好きだと言うことすら許されないのだろうか。我々喫煙者は、いつの間にか煙草を好むということに対しても引け目を感じるまでになってはいないだろうか。 好きなものには自信を持ちたい。もっと、その良さを実感したい。そんな、煙草とそれを包む文化的な空気を愛したい人々に、強く薦めたい1冊の書籍がある。『もうすぐ絶滅するという煙草について』(キノブックス編集部:編/キノブックス)というアンソ