さわやかな風を感じる日曜日、日本企業の人事担当者の代弁者、野々村さんはリビングで人事関連の雑誌を読んでいた。 そこへ、長女が現れた。長女は、野々村さんと同じ人事の仕事をしている。外資系企業のHCD(Human Capital Development)部門のアシスタントマネジャーに先月なったばかり。勉強熱心で、人事に関する雑誌や書籍をあれこれと買い込んできては読んでいる。幸いにも、同じ仕事をしているので、親子の会話は平均よりあるほうではないか。2人の会話のきっかけが、実はこういった雑誌だったりする。 ネスレの労働訴訟について親子で話す 今手にしている雑誌も長女が仕入れてきたもの。何気なくページを繰っていた手がふと止まる。昨年起きたネスレの労働訴訟の記事が目に留まったのだ。 ネスレでは「介護を必要とする家族があり、単身赴任も家族帯同も実質困難である」社員への転勤命令について、「権利の濫用にあた