トップ > 特集・連載 > 変わる知の拠点 > 記事一覧 > 記事 【変わる知の拠点】 <第3部>揺らぐ司書像(2) 非正規職員 Tweet mixiチェック 2013年9月17日 大都市まで電車で三十分ほどの人口十万人弱の地方都市。その自治体直営の図書館に勤務する司書、鈴木優子さん(35)=仮名=は書架の一角を見て、いつもため息をつく。 「あの和装本を整理して、閲覧できるようにしたいなあ…」。恐らく江戸時代のものが二百冊余り。だが、鈴木さんは残業も許されないパート。日々の業務に追われ、とてもそんな暇はない。 今、日本の公共図書館で働く人のうち、正規職員が減る一方、パートやアルバイトといった非常勤・臨時職員が年々増えている(図参照)。これに指定管理へ移行した館の委託・派遣職員も加えると、正規職員以外の図書館員は昨年で67%に上る。うち司書(司書補)の率は、正規職員が51・9%なのに対し、