自身の出身大学よりも、レベルの高い大学院に進学する――。向上心が高い人に思えるが、最終学歴を“浄化”した「学歴ロンダリング」ではないかと、否定的な見解を持つ人もいるようだ。言われた当人が抱える事情や苦悩とは。 メーカーに勤務する30代の男性会社員・Aさんは、大学は私立大理系出身だが、大学院は東大を出ている。東大院に進んだのは、「学歴コンプレックスを払拭するためという理由もある」と正直に本音を明かしてくれた。 「大学1年の時は仮面浪人をしようと、講義中に大学受験の参考書を持ち込んでいたほどです。多くはないですけど、周囲にも同じような人がいました。やはり国立大へのコンプレックスが強かったですね……。僕の地元では、卒業した私大はあまり知名度がなく、地元国公立大が『すごい』と思われる風潮があって、地元国立理系のいとこや親戚たちにマウントを取られるのが悔しかった」(Aさん)