ドナルド・キーン自伝 前回記事ちょっと残念なデーブ&アーミー・メソッドの日本語教育(ドナルド・キーン氏) 日本語-3- - の続きだが、本当なら、みなさんにこの『ドナルド・キーン自伝』を読んでいただければよいのである。アーミー・メソッドのくだりはこの本からも引いている。 キーン氏は10年前に、読売新聞連載をまとめたこの本を中公文庫から出版した。前に読んだときはもうワクワクして、メモって人に聞かせたりしたものだ。 戦時、通訳将校だったキーン氏は終戦後、東京で「有楽町ビルヂング」に行くよう言われ、「有楽」を「雄略」だと覚えていたという。授業で習った残虐な天皇の名前がついているのはおかしいなと思ってはいたが。 何よりも交友録がゴージャスで驚嘆する。今だから聞ける話もあり、大変貴重だと思う。終生の友となった永井道雄のこと、川端康成や大江健三郎のこと、三島由紀夫が自決する前に共にした豪華な食事や、「