フィリピン、ミンダナオ島西部のマラウィをイスラーム過激派が占拠して約2ヵ月。7月18日、ドゥテルテ大統領は穏健派ムスリムの代表らとともに、ミンダナオ島西部におけるムスリムの自治権を拡大する方針を表明しました。 ドゥテルテ大統領といえば、強面で知られます。麻薬組織メンバーに対する「超法規的な処刑」には、欧米諸国や人権団体からの批判が集中。また、関係が悪化したオバマ大統領(当時)に「地獄へ落ちろ」と述べるなどの暴言・放言も目立ちます。さらに、マウテなどイスラーム過激派の台頭以来、ドゥテルテ大統領は戒厳令を敷き、その鎮圧を進めてきました。 しかし、その強面のイメージからは意外なほど、少数派の宗派を自主性を保護し、宗派共存を目指す今回の「自治権拡大」は柔軟な方針です。これは、なぜ生まれたのでしょうか。また、これによってミンダナオ島の危機は克服されるのでしょうか。 バンサモロ基本法の「復活」 今回、