『映画けいおん!』『映画 聲の形』などの作品でタッグを組んできた山田尚子監督、吉田玲子脚本の新作アニメーション映画『きみの色』が8月30日より公開中。山田が得意とする「音楽×青春」の物語として、すべての観客の「自分の“好き”」を肯定してくれる一作だ。 リアルサウンド映画部では監督を務めた山田にインタビュー。本作で“社会性”を描こうと思った自身の原体験から、画面の色使いや音楽演出の意図を聞いた。そして本作の舞台はなぜ「カトリック系のミッションスクール」だったのか。山田監督がそこに意図していたものとは。 「答えは1つじゃない、なぜなら人の形は1つじゃないから」 ーー公式サイトに掲載されている企画書の文章には、本作で“社会性”を描きたかったとありました。それをテーマに掲げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか? 山田尚子(以下、山田):今回の作品で“社会性”、とくに高校生のものさしでの“社会