今後の日本の防空体制を左右する次期主力戦闘機(FX)の機種選定をめぐり、政府が立ち往生している。 現在の老朽化したF4戦闘機の後継を選ぶには、2016年がタイムリミットとされるが、防衛省は31日に提出する11年度予算概算要求で、調査費しか盛り込めない見通しだ。民主党政権下でぎくしゃくする日米関係も、選定の自由裁量の度合いを狭めている。 ◆16年がリミット◆ 航空自衛隊が現在70機持つF4戦闘機は1971年から導入された。老朽化が目立ち、飛行時間が限界に達して訓練を抑制しているものもある。開発国の米国ではすでに全機が退役した。 後継機として防衛省・自衛隊が検討する有力候補は、米英などが共同開発中の「F35」、英独など欧州4か国が共同開発した「ユーロファイター」、米国の「FA18E/F」の3機種だが、一長一短がある。 ◆空自は「F35」◆ 空自が最も欲するのは、レーダーに探知されにくいステルス