武満徹と坂本龍一。日本を代表する2人の作曲家は互いの存在をどのように意識しあっていたのだろうか。 2018年7月にアルテスパブリッシングから刊行された川崎弘二著「武満徹の電子音楽」には、武満による坂本龍一への言葉がいくつか綴られている。それはたとえば坂本の才能を高く評価したうえでの批判や、その後作られた『戦場のメリークリスマス』(83年)への肯定的な批評だ。 一方の坂本も「音楽は自由にする」(2009年、新潮社)やインタヴューなどで折に触れて武満徹について語っている。そのなかでも大学生時代の坂本が、武満を批判するビラを撒いていたというエピソードはよく知られている。 今回のインタヴューでは川崎弘二が聞き手となり、映画音楽、ミュージック・コンクレートにいたる武満徹作品への評価や、自身への影響など〈坂本龍一の武満徹〉をたっぷりと語っていただいた。貴重な証言も含まれる今回のインタヴューは多くの音楽