【ローマ=南島信也】イタリアのベルルスコーニ首相(73)が、メディアや司法との対決姿勢を強めている。自身のスキャンダルを報じ続けるメディアに訴訟攻勢をかけ、首相一族が所有する企業グループに巨額の賠償命令判決を下した裁判官については、傘下のテレビ局が私生活を隠し撮りした。民放3大ネットワークを所有する「メディア王」の逆襲に、メディア側の萎縮(いしゅく)を懸念する声が上がっている。 首相は5月以降、離婚の原因となった18歳の女性モデルとの問題から始まり、政府専用機の私的利用疑惑、売春目的の派遣サービスに所属する女性(42)との関係など、スキャンダル報道のシャワーを浴びてきた。 追及の中心となったのがレプブリカ紙と系列のレスプレッソ誌。首相は8月末にレプブリカに対して名誉棄損で100万ユーロ(約1億3200万円)の損害賠償を求めて提訴。9月にはウニタ紙に200万ユーロを請求した。 さらに、