報道陣の取材に応じる、亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの妹ワヨミさん(左)とポールニマさん(中)。右は代理人の指宿昭一弁護士=10日、東京・霞が関で 名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、遺族らは10日、生前の様子を収めた監視カメラ映像の開示を求め、出入国管理庁を訪れた。遺族は代理人弁護士の同席を求めたが認められず、この日の視聴を見送った。
都内で唐揚げ専門店が増え続けている。日本唐揚協会の調べでは、今年4月時点で361店舗。この10年間で6倍に拡大した。 同協会の八木宏一郎専務理事は「きっかけは2019年10月の消費税率の10%への引き上げ。増税で外食控えが進む一方、軽減税率が適用されるテークアウト店が増えた」と分析。そこに新型コロナウイルスの影響が重なり、冷めてもおいしく、家計にもやさしい唐揚げの人気が高まった。「実店舗を持たないゴーストレストランや居酒屋に併設する店も増え、最近はスーパーの総菜コーナーも質が上がった。まさに『唐揚げ戦国時代』です」と話す。 唐揚げ人気は、別のデータにも表れている。冷凍食品のニチレイフーズが20年8月に実施したインターネット調査(対象約1万4000人)で、29種類のおかずから好きなものを選んでもらったところ、72.4%が唐揚げを挙げた。焼き肉(71.7%)やギョーザ(70.9%)を抑えて堂々
ジャーナリスト伊藤詩織さん(30)が、元TBS記者山口敬之氏(53)から性暴力を受けたとして、千百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は十八日、「酩酊(めいてい)状態で意識がない伊藤さんに合意がないまま性行為に及んだ」と認定し、山口氏に三百三十万円の支払いを命じた。 鈴木昭洋裁判長は判決で「伊藤さんには被害を虚偽申告する動機がない」とする一方、山口氏の説明は重要な部分で不合理に変わっており、信用性に重大な疑念があると述べた。刑事手続きでは山口氏は嫌疑不十分で不起訴となっており、結論が分かれた。 山口氏は、伊藤さんが著書などで被害を公表したことで名誉を傷つけられたとして、逆に一億三千万円の賠償を求めたが、判決は「公表内容は真実で、名誉毀損(きそん)には当たらない」として棄却。公表は「性犯罪被害者を取り巻く状況の改善につながると考えた行為で、公益目的だ」と指摘した。
日本学術会議が推薦した候補者6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題をめぐり、学術会議に関して誤った情報が、著名人や記者らによって次々とインターネットやTVを通じて発信され、あたかも事実のようにとらえられて拡散している。専門家は「発信者側が正確な情報を事実に基づき発信するよう努力するとともに、受け取り側も真偽を見極める力をつけていく必要がある」と指摘する。(望月衣塑子)
お笑い芸人「ナインティナイン」の岡村隆史さん(49)が、「コロナが明けたら短期間だが美人さんがお嬢(風俗嬢)やる。金を稼がないと苦しいから」とラジオで女性蔑視の発言をして問題になった。この発言に、大学生らが謝罪や司会を務めるNHK番組の降板を求める署名活動を展開したところ、逆に芸人仲間や一部メディアから「過度な制裁では」と批判の声が上がった。だが、女性差別を直視せず、岡村さんへの批判を「個人攻撃だ」と、問題をすりかえていいのだろうか。 <日本の性風俗産業は長年、海外でも問題視され、東京には五千人超、全国で約十七万人の中高生が何らかの形で売春をしている>。大学生らが運営する一般社団法人「Voice Up Japan」は、厚生労働省のシンクタンクの統計などを示しながらサイトで署名活動を始め、賛同者は二万二千人を超えた。 代表理事の山本和奈さん(22)は「発言は若者の貧困や男女格差が進む日本社会
政府と民間が資金を出して運営する官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が出資した事業のうち、少なくとも七件が機構の株主企業六社に関連していたことが本紙の取材で分かった。公的資金が株主企業に還流された形で、機構の中立性が揺らぐ可能性がある。機構の投資先を決める内部組織に投資先企業の役員がいたことも判明。識者は、公的投資の名目で私企業の利益を図る「利益相反」の疑いを指摘する。 (大野暢子) 本紙は、機構が二〇一四~一九年に公表した出資三十二件の内容を事業報告などから調べ、株主六社に関係する出資を計七件確認した。総額は百九十六億円。出資全体の三割にあたる。 株主の出資額の二十倍超を支援した例もある。機構は一四年九月、中国・寧波への商業施設出店事業に百十億円の出資を決めた。この事業は、機構に五億円を出資する株主の「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」(大阪市)が中心を担っ
二〇二〇年度から大学入学共通テストの英語で導入される民間検定試験を巡り、政府は三十日、実施時期の延期について検討に入った。政府高官が明らかにした。萩生田光一文部科学相の「身の丈に合わせて頑張って」と教育格差を容認するような発言に反発が強まり、与党内で予定通りの実施に慎重論が相次いだ。 (上野実輝彦、川田篤志) 民間試験は、会場が都市部に集中しがちで、地方在住者には交通費や宿泊費といった経済的な負担が大きい。受験料が一回二万円を超える高額な試験もあり、経済格差や地域格差などの多くの問題がある。 政府高官は「試験には何万円もかかり、地方の学生は試験を受けるのにも一苦労だ」と、地方の不満を懸念。「いろいろな議論があるから、そんなに急がなくてもいい」と、二〇年度からの実施は慎重に検討する考えを示した。
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