1.はじめに 消火活動や救助活動において、消防隊員は予測していなかった事態に遭遇し、危険な状況に陥ることも考えられる。また、消火活動や救助活動における肉体的、精神的な負担は大きい。一方、ロボットは自立的に機能する、あるいは遠方から操縦することが可能であるので、消火隊員や救助隊員を危険な環境下へ進入させずに活動を行うことができる。また、消防隊員に替わって作業を行うことにより消防隊員の負担軽減を図ることができる。したがって、消火活動や救助活動はロボット開発に最適な対象の一つといえる。 いくつかの消防本部ではロボットが実戦配備されている。日本は世界的にも多くのロボットが消防署に配備されている。ロボットというよりはむしろ遠隔操作機械が適切かもしれないが、広義のロボットの範疇には入るものといえる。本稿では、現在、消防本部が所有し配備しているロボット、また、配備を目的として開発を進めているロボットを紹