東日本大震災後に出された緊急地震速報で、地震の規模や震源地を誤るケースが多発している。原因の一つは、震災で使えなくなった地震計があることだ。使えない津波計も多く、今、大きな地震や津波があっても、震度や津波の高さが分からない地点もある。観測網の崩壊を防ぐ手だてはなかったのか。【飯田和樹】 「停電、通信回線途絶、物理的なダメージの3通りが考えられる」。気象庁地震火山部管理課は被災地の地震計や震度計、津波計からのデータが途絶えた理由を説明する。 データダウンした地点数が最大だったのは大震災から約24時間後の12日午後2時ごろ。震度だけでなく地震波形なども観測して緊急地震速報の発表に活用する「地震計」は東北26地点中19地点、「震度計」は同88地点中48地点がダウンした。津波計は全国183地点中31地点のデータが入手できなくなった。 26日午前9時現在でも、地震計2地点、震度計8地点、津波計