今回は応答速度について解説する。液晶ディスプレイのスペックでは注目度の高い数字だが、現在のスペック表記は誤解を招きやすく、実際の性能を正確に表しているとは言えない部分がある。そこで、応答速度に関する現状を整理しつつ、スペックを上手に読む基礎知識を紹介しよう。 液晶ディスプレイにおける応答速度の意味 液晶ディスプレイの応答速度とは、画面の色が「黒→白→黒」と変化するときに要する時間だ。単位には「ms」(ミリ秒、1msは1秒の1000分の1秒)が使われる。応答速度が「12ms」の液晶ディスプレイは、画面の色が「黒→白→黒」と変化するときに12msの時間がかかるということだ。 単位から見れば「応答時間」と呼ぶほうが正しいのだが、現在は応答速度という呼称が定着している。ちなみに「速度」は、単位時間あたりの変動量を表す。身近なところでは、自動車の速度が分かりやすい。60km/hだとすると、1時間(単