最初は、「水を得た魚」です。「彼は、新しい職場で水を得た魚のようだ」のように使います。今日の出題の中では、最もポピュラーですね。その分、読み間違いも多いような気がします。さて、この中の「魚」は何と読んでいますか? 正解は「うお」です。「さかな」と読んでいた人はいませんか? 現在の常用漢字表の「魚」は、音読みの「ギョ」に対し、訓読みが「うお・さかな」と二つ示されていますが、このうち、現在は一般的な読みの「さかな」は、もともと「酒菜(肴)」と書き、「お酒を飲む時につまむもの」でした。その「つまみ」は、魚類が多かったことから、「魚」の字もそのまま「さかな」読むようになったようです。ですから、「魚」の字は、慣用句や中国の古典が語源である故事成語(「魚心あれば水心あり」など)の場合、本来の「うお」と読むべきであると考えます。