2024年3月18日、ロシアによるクリミア半島の「併合」から10年が過ぎました。この10年間にクリミア半島とその周辺で起こってきたことを考えると暗澹たる気持ちしか浮かびません。国際社会の平和と安定、地域住民の幸福に少しでもつながる未来があることを祈るのみです。 10年前、クリミア情勢をめぐってクリミア・ハン国とクリミア・タタールという存在が日本語の言説空間で認知される中で、かつて無謀にもクリミア・ハン国史を専攻しようとした大学院生であった私は、日本語でクリミア・ハン国について書かれた資料がほとんどなく、イメージのみで語られていることに失望を感じていました。幸いにもTwitterなどでクリミア・ハン国史の話題を振ると、その実像についてそこそこ関心を持ってくれる人がいるようでした。そこで突如思い立ち、1か月ほどの短期間で一気に書き上げた原稿が『クリミア・ハン国 歴史・国家・社会』と題した小史で
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