英語の科学記事を授業に活用している高校教師がいる。 教室前方のスクリーンに、海外のホームページが次々に映し出される。英国のBBCや米国のCNNなど、報道機関の科学ニュース、英国の科学誌「ネイチャー」、米航空宇宙局(NASA)のニュースなど。その中から、面白そうな科学記事を数本選び、記事の内容を表示させた。 「この記事は、2月22日に日本のロケットが赤外線天文衛星を打ち上げたニュース。イギリスでも報道されているんだね。じゃあ、中身を読んでいこうか」 埼玉県立川越女子高の2年生の英語の授業。今野文彦教諭(48)はこの日、あえて教科書や問題集は使わず、英語の科学記事だけで授業を進めた。衛星の記事のほか、鳥インフルエンザや、英国内のガの減少についても取り上げた。 今野さんの授業に慣れた生徒たちは「bird flu(鳥インフルエンザ)」「biodiversity(生物多様性)」といった専門用語も抵抗