コミック版「おもいでエマノン」の続編。「おもいで」のレビューは、最後は、どうか幸せな記憶を「おもいでエマノン」 をどうぞ。 彼女の名前はエマノン ――― 四十億年分の記憶とともに生き続ける女性。見た目はハタチそこそこの娘にすぎない。長い髪、おおきな瞳、彫りの深い貌、そばかすが、日本人ぽく見えず、メスティーソのよう。前作では分厚いセーターに包まれた肢体が、今回では惜しげもなく日のもとにさらされている。すんなりと伸びた、まぶしい、うつくしい、彼女のはだかを、たくさん堪能できる。凝視せよ、眼福とはまさにこのこと也。 ストーリー的には小説版「おもいでエマノン」の後半のエピソードに想を得ている(ように見える)が、タイトルは「さすらいエマノン」なのでちょっと困惑する。ひょっとすると、わたしの思い違いかもしれないので、小説版「さすらい」を読む。すると、また違った「エマノン」が浮かび上がってきて面白い。