【100万人が観るべき映画はだれにでも訪れる喪失の悲しみを越え向かう未来を示す】 長くてストレートな黒い髪を持つ美女が、憂いを払って快活に振る舞うようになり、温泉でスレンダーな裸身をちらりと覗かせつつ、真っ赤なポルシェを駆って湾岸の道を飛ばしてショッピングモールへと出かけるシーンだけでも、10万人の観客を動員する価値があると断じる。 なおかつそこに、まだ小学生ながらも祖母が経営する温泉旅館、春の屋の若おかみとして一生懸命に働いて、落ち込んでいる人や迷っている人を励まし持ち上げ歩けるようにして送り出す少女がいて、自分自身の迷いを頑張って振り払おうとしている姿が重なれば、50万に人だって観客数が届いても不思議はないと、劇場版『若おかみは小学生!』を見ればきっと誰もが思うだろう。 自分自身の過去、心に残ったとてつもなく大きな傷と向かい合って一度は激しく落ち込み、逃げ出そうとしながらも頑張って思い