ブックマーク / amberfeb.hatenablog.com (3)

  • 歴史のみなしごたち――『∀ガンダム』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ここ4カ月くらい、『∀ガンダム』をちまちま見ていたのですが、ようやく最終話に至りました。いやよかったです。以下感想。 鉄の車が道を行き交いはじめ、都市はまさにその活力をいや増している時代。人がまだ、それほど簡単には空を飛んではいなかった――しかしもうじき飛び始めるであろう時代。私たちが歴史として知る、19世紀後半から20世紀前半、産業革命を経て工業化と都市化のギアが一段上がった時代とよく似た、しかしどこか異なる時代。統一的な国家機構はなく、都市国家然とした国家群が分立する北アメリア大陸――それは私たちが北アメリカ大陸とよぶものとよく似ている――には、穏やかな風が吹いているようだった。 そこに、月から来訪者が訪れる。はるか超越した技術力をもつ月の人々は、かつて自分たちが住んでいたアメリカ大陸のサンベルト地帯に入植する計画であるという。入植者と、そこに住む人々。そのあいだに、幸福ならざる衝突が

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  • 「あなたが決めろ」と悪魔は笑う――『響け!ユーフォニアム』と選択の意味 - 宇宙、日本、練馬

    『響け!ユーフォニアム』・『響け!ユーフォニアム2』は、何かを決めるとは、選ぶとはいかなることなのか、それはどのような意味を持つのか、そのような問いを提起した。その問いに対する回答の輪郭を粗描することが、さしあたってのこの文章の目的である。 「なんとなく」決めること 私たちが何事かを選ぶとき、そこにどのような機制をが働いているのか。それをおおざっぱに整理するならば、「なんとなく」選ぶか、「決然と」選ぶか、という両極を想定することができるだろう。私たちはたぶん、事を選ぶとき、何か身近なものを買うとき、ぼんやりとテレビのチャンネルをザッピングしているとき、等々、おそらく「なんとなく」なにかを選び取っている。一方で、例えば自分の将来の進路を選ぶとき、高価な買い物をするとき、重大なことを他者に告げるとき、私たちは「なんとなく」は決めないだろう。そこに賭けられる感覚のことを決然さとここでは名指し、

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  • 「特別であること」の二つの意味――アニメ『氷菓』を貫く問題系として - 宇宙、日本、練馬

    アニメ『氷菓』について、全体を「特別/普通」という軸が貫いているんじゃないかなみたいなことをぼんやり考えていて、考えています。とりあえず今頭に浮かんでいることをメモ的に。 「君は特別」という祝福、もしくは呪い 「特別/普通」という対立軸は、多分、「薔薇色/灰色」とも言い換えられるし、以前僕は「持てる者/持たざる者」という言葉でそれを言い表せるんじゃないか、みたいに考えてもいました。 amberfeb.hatenablog.com それに類するモチーフは探せばいくらでも見つかるんじゃないかという気もするのだけど、作中の言葉を借り受けるならばやっぱり、「特別/普通」というのがふさわしい、と思う。それは作中で「特別」という言葉に特別な重みが付与されている、という印象を受けるから。 「特別/普通」の対立軸は「氷菓」編においてもみられて、『氷菓』の由来をめぐる物語は「特別」だった男、いや「普通」の人

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