アフガニスタンは米軍撤退とタリバンの猛攻により、9.11以来の大転換を迎えている。タリバンの大攻勢は米軍撤退だけでなく、これを食い止めるべきアフガニスタン政府・軍の無気力・無力によっても加速してきた。さらに、タリバンが経済的に自立したことで、外部から影響を受けにくくなったことも、大攻勢につながっている。 アフガニスタン軍より兵力に劣るはずのタリバンは、なぜ各地の主要都市を次々と制圧できたのか。そこには大きく3つの理由があげられる。 カタストロフの淵へ タリバンは8月15日、ついに首都カブールを包囲し、アフガニスタン政府と権力の委譲について交渉を始めた。アフガニスタンは今、対テロ戦争が始まった2001年以来の大変動を迎えている。 イスラーム武装組織タリバンは各地の主要都市を次々と制圧し、今やアフガニスタンの3分の2はタリバンの支配下にあるといわれる。 戦闘が激化するなか、国外脱出を目指す人々