1人目の途中から、我が家の足はピジョンの「ビングル」だった。 2人目が生まれて腰が座ってからも、こいつと10km以上散歩した日が何度もある。 ビングルの魅力は、一言で言えば「潔さ」だ。 圧倒的な軽さ、そして何より、片手ワンタッチで畳めて、スッと自立するあの挙動。電車移動における利便性は、もはや「究極」と呼んで差し支えない。 けれど、ピジョンのベビーカーは地味だ。実用性の塊だが、華がない。 だから、こうして終売に追い込まれるのも、時代の必然なのかもしれない。 今の街並みを見渡せば、右も左もサイベックスやヌナばかり。いつしか子供そのものが「高級品」になり、子供用品もまた、記号化されたブランド品へと変貌してしまった。 地味だが真面目で良いものを作る——今のピジョンには、かつての三洋電機に近い哀愁を感じる。 かつて、ビングルが一度ぶっ壊れたことがあった。 店舗保証で修理に出したのだが、戻ってきた時

