痛烈な内部告発書である。食品添加物の専門商社の敏腕セールスマンだった著者が 食品メーカーの“手口”を次々に暴露していく。 例えばミートボール。安くて、おいしいミートボールは子供の人気メニュー。 温めるだけで食べられるのでお母さんも大助かりだ。だが、製造現場を見てきた著者はこう描写する。 形はドロドロ。水っぽいし味もなく そのままではとても食べられるシロモノではありません という。 牛のクズ肉を、安い廃鶏のミンチ肉と組織状大豆たんぱくで増量し 20~30種類の食品添加物を加える。 ミートボールの正体は「もはや添加物のかたまりと言ってもいい」 得体の知れない食べ物だった。 このミートボールの製造原価は1パック20~30円。 添加物セールスマン時代の著者は、廃棄の運命にあるクズ肉に商品価値を与え 食品メーカーも大儲けでき、消費者も「安くておいしい」と喜んでくれる と誇りを持って添加物を売ってきた