失ったのは580億円相当――。1月26日、仮想通貨取引所大手のコインチェックで大規模な不正アクセスが明らかになった。 まず経緯を振り返ろう。26日の2時57分、同社が保有する顧客の仮想通貨NEM(ネム)が不正に外部へ送金された。会社として異常を検知したのは11時25分。その後、12時7分にNEMの入金が停止され、売買や出金が停止になった。現在はNEMのみならず、日本円を含め全ての取り扱い通貨で出金停止となっており、ビットコイン以外の仮想通貨の売買をストップする異常事態に陥っている。 約580億円とは、5億2300万XEM(XEMはNEMの取引単位)を異常検知した時点のレートで換算した額になる。コインチェックが保有する顧客のNEMのほぼすべてが不正アクセスで抜き取られてしまった格好だ。2014年に当時世界最大の仮想通貨取引所だったマウント・ゴックスが、顧客から預かったビットコインをほぼ消失さ