雷が雲の中に隠れた天然の加速器を破壊した!? – 放射線・大気電場・電波観測で挑む高エネルギー大気物理学 雷・雷雲は天然の加速器だった 相模湖上空を駆け抜ける稲妻。近年の研究で雷や雷雲が天然の加速器として働いていることが明らかとなっている。(撮影:和田有希) 現代の物理学では素粒子や原子核の性質を調べるために加速器を用います。電子や陽子といった粒子を光速近くまで加速し、ターゲットにぶつけてその反応を観測することで、ターゲットがどのような性質を持っているか、何か新しい粒子が生成されていないか、といったことを調べます。 このようないわば「人工の加速器」が研究に用いられる一方で、自然界には「天然の加速器」とも呼ぶべきものが存在します。それが雷と雷雲です。アメリカの物理学者フランクリンが凧を揚げて実証したように、雷雲の中には強い電場がかかっています。もし雷雲の中が真空であるならば、電子はその強電場
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