高周波焼入れ(こうしゅうはやきいれ、英語:induction hardening)とは、鋼に、高周波の電磁波による電磁誘導を起こし、表面を加熱して焼入れを行う熱処理の手法。 鋼表面のみ硬化させて硬さを増し、内部はじん性を保った元の状態を保つことで、柔軟性に富んだ材料にすることが出来る。鋼の種類にもよるが、一般の焼入れに比べ概ね表面はロックウェル硬さ(HRC)で1~2程度上昇する[1]。 誘導加熱の模式図 金属に銅線を巻きつけてコイル状にし、銅線に交流を流すと、コイル内部に電磁誘導による磁力が発生すると同時に、金属内に渦電流が発生する。この渦電流は表皮効果により金属表面のみに集まるので、金属表面を電流Iが流れていることになる。電流が発生すると、誘導加熱により、焼入れする金属の持つ電気抵抗 R によりジュール熱 I2R が発生する。この発生したジュール熱により金属表面をオーステナイト状になるま