太陽の下に、新しいものなどない。 というようなことばを、ずいぶん前に聞いたことがあった気がする。 人間なんて、みんな似たようなものだ。 人間が考えることなど、自分では画期的な新しい考え方だと思っても、ずっと昔に遡ればすでに誰かが考えている。 そんなことばだと、思っていた。 最近、誰のことばだろう、気になって調べてみた。 「旧約聖書」にある言葉らしいことがわかった。 私が、思っていたのとは、全く違った意味合いのようである。 コヘレトの言葉 ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉。 伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。 日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるか。 世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。 日はいで、日は没し、その出た所に急ぎ行く。 風は南に吹き、また転じて、北に向かい、めぐりにめぐって、またそのめぐる所に帰る。 川はみな、海に流れ入