滑車の鎖を引っ張ってドームの天井を開ける末松所長。開設当初からある小ドームの内側は木で造られている乗鞍コロナ観測所。ドームの一部の塗料が落ちている。長野と岐阜の県境に立ち、内部の廊下がちょうど県境に位置するという。手前の階段の上が見学者ルームだ畳平駐車場から見えるコロナ観測所。雪渓の上で銀色に光るドームが観測所だ 日食で太陽が完全に隠れた時に見えるリング状の輝き、それがコロナだ。そのコロナを特殊な望遠鏡で常時観測してきた日本では唯一の国立天文台「乗鞍コロナ観測所」が今年度中に閉鎖されることになり、実際の観測は今年10月に終了する。49年の開設から60年を経て、文字通り最後の夏山シーズンを迎えようとしている観測所の中を、末松芳法(よしのり)所長(53)の案内で3日、報道のため特別に見せてもらった。 観測所は、乗鞍のいくつもある峰の一つ摩利支天岳(2876メートル)の山頂にある。観光バスの