キリスト教と戦争 (中公新書) 石川氏は戦争論・宗教学の研究家でありキリスト教徒。世界最大の宗教、キリスト教の信者は、なぜ「愛と平和」を祈りつつ「戦争」ができるのか?(2016) キリスト教と戦争 これかでのキリスト教史においては、文字通り自分をキリストに従う「兵士」と自覚し、軍隊に加わるのと同じ感覚で教会や修道院に加わり、信仰を「戦い」と認識した人々も少なくないのである。キリスト教徒たちは、皆が静かに優しく愛を説く、おとなしい雰囲気の人たちばかりだったわけではないのだ。(151ページ) 現在のカトリック教会 カトリック教会は、現在でも軍事行動を全面的に否定しているだけではない。もう少し丁寧に言い直すと、確かに平和な世界を望み、戦争を悪として強く非難しているものの、現状においてはいかなる武力行使も認めないというわけではなく、正当防衛としてのそれは権利でもあるとして、条件付きの軍事行動には肯