文部科学省は、若手が研究室主宰者(PI)として独立するのを支援する新制度を、科学研究費助成事業(科研費)で2017年度から始める。科研費の「基盤研究(C)」「若手研究(B)」採択の若手に、研究室立ち上げの設備費など大学が手当する際、科研費を追加支給する。従来の大学の若手支援は、運営費交付金削減などで弱体化している。このため個人対象の科研費で、大学の組織支援とマッチングさせる点でも注目を集めそうだ。 PIは独立した研究課題や研究スペースを持ち、大学院生の研究指導や論文発表に責任を持つ研究者。研究室の1研究者であった助教や博士研究員(ポスドク)が、学内昇格や他大学での新規採用によって講師・准教授に就任、PIとして独立するケースが多い。 ただ、スペース改修や機器導入など独立基盤を整備する経費が、当初は多く必要なのが課題となっている。 17年度に導入する仕組みでは、例えば科研費の若手向け種目