第4回「本とレコメンデーション」(後編) ※前編はこちら 一方、今回、もう少し踏み込んで議論してみたいのは、ある本を読むと、「もっと他の作品も読んでみたくなる」という、もう一つの欲望(「縦のレコメンデーション」)についてです。これは、ある本を読んだ時に、その本自体が、他の本を欲望させることを指しています。 例えば、シリーズ物の作品では、続編が気になるということもあるでしょうし、同じ作家の他の作品を読みたくなるということもあります(作家自体のことを知りたいと欲望していくこともあるでしょう)。その作家が影響を受けた作家の本を読んでみたくなることも縦のレコメンデーションだと言えます。例えば、私も、ジョン・アーヴィングの作品を読み、作家について調べていくと、その師匠がカートヴォネガットJr.だと知り、今度は、カートヴォネガットJr.の作品が気になって、読み始めて、すっかりカートヴォネガットJr.の