ベルセルクは黄金時代編で完結した漫画であり、それ以降は書き込みの多いONE PIECEに過ぎない。などというと怒られそうな気もしますが、やはり黄金時代編の完成度の高さと比べると以降の展開に物足りなさを感じてしまうという人も少なくないでしょう。 精神分析において去勢と呼ばれる概念があり、これは人が人として社会生活を営むために欠くべからざる過程とみなされていますが、この概念を使えば黄金時代編について、腑に落ちる解説ができるのではないかと思います。要するに、主人公であるガッツがグリフィスの母親であり、もうひとりの主人公といっていいグリフィスもまたガッツの母親である、と解釈すれば合点がいくのではないかということです。いうまでもなくこのふたりの主人公は男性なので、この解釈は一見奇異に思えるかもしれませんが、精神分析でいう父親とか母親とかいうのは在る種の記号のようなものであり、生物学上の男性が心的な領