8月11日の欧米為替市場で、円高が急速に進行した。ただし、対円ではドル安になったが、対ユーロを中心に、円以外の多くの通貨に対してはドルが急上昇しており、全般的なドル安の動きではないことは、しっかり認識しておきたい(報道や解説の中には、そのあたりを理解していないものも散見される)。 この日に起こったのは、(1)前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文が景気認識を下方修正したこと、(2)中国の鉱工業生産などの景気指標が軟化したこと、(3)英イングランド銀行が景気見通しを下方修正したことなどから、世界経済の先行きに関する不安心理が強まり、投資マネーがリスク回避志向を急速に強めたということである。その結果、株安・債券高になったほか、為替市場では「逃避通貨」である円やドルに買いが入った。また、「逃避通貨」どうしである円とドルの間では、FOMCで事実上の追加緩和が決まったこと、ドルLIBORが低下
日本国債が人気だ。投資機会が国内で不足するなか行き場を失った現金が国債に向かっている。長期金利の目安として使われる満期10年の日本国債の利回りが1%を下回ってきている。債券は価格が上がると利回りが下がる。つまり多くの投資家が日本国債を買っているということである。国債金利は年率の利回りで表されるので、満期が10年の国債の金利が1%低下すると国債の価格はだいたい9%上昇する。要するに日本国債は大人気だし、日本国債の信任に担保される日本円も世界中で買われ、1ドル85円前後で取引されているのである。 出所:日本銀行のウェブ・サイト等から筆者作成 今日まで日本の大きな財政赤字やGDP比で200%にも達する政府債務残高に対して多くの経済学者が警鐘を鳴らしてきた。このままでは日本は財政破綻すると少なからぬ市場参加者が警告した。しかし現実には日本国債は大人気で長期金利は1%を切っている。 実は日本政府破綻
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