(英エコノミスト誌 2011年11月12日号) イタリアは大きなギリシャのように見えるかもしれないが、現実はもっと複雑だ。 2年前にユーロ圏のソブリン債務危機が本格的に始まって以来、よく耳にする不安は、イタリアの大きさを考えると、万一同国が沈没した場合、規模が大きすぎて他国が救済できないというものだった。 一方、密かに期待されていたのは、イタリアの規模は同国を救うかもしれないということだった。 投資家がイタリア国債から急いで手を引いた場合、その分のユーロを投資して、まともなリターンを得られる大きな市場はほとんど存在しない、というのが広く囁かれる議論だった(イタリアよりも規模が小さなドイツの国債市場は、利回りの急落なしにすべての投資家を受け入れることはできない)。 怯えた投資家は大抵、米国の財政不安にもかかわらず、規模が大きく、流動性の高い米国債市場になだれ込む。こうした数の上での安全性の論