2011年は、日本にとって、まさに歴史に残る1年だった。あの巨大地震と大津波が数え切れない人命を奪い、破壊された原発が次世代にも及ぶ放射能汚染の恐怖をもたらした。日本はこの未曾有の危機を乗り越えることができるのか。嵐は国内にとどまらない。ユーロ圏では、2009年末に表面化したソブリン危機がいまだに解決していない。米国でも、財政再建を阻む政治の機能不全が目立つ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)日本版が伝えた激動の1年を振り返る。 巨大地震と大津波による原子炉冷却機能の停止、炉心溶融、水素爆発、高濃度の放射能漏れ――。チェルノブイリに匹敵する大惨事が日本を襲った。今後の廃炉・除染工程は数十年に及ぶとみられ、危機収束への道のりは長い。事故を受けて、ドイツ、スイスが原発の全廃を決めたほか、イタリアも脱原発方針を国民投票で再確認するなど、影響は世界に広がった。