(2012年3月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 筆者が今週行ったように、ニューヨークから北京に飛行機で移動することは、あべこべの世界に入るようなものだ。朝の8時が夜の8時になる。中国に腹を立てている国から、米国に腹を立てている国に移動するのだ。 最近の緊張の原因は、米国、日本、欧州連合(EU)によって世界貿易機関(WTO)に提訴されたレアアースを巡る論争だ。 米国大統領は、中国は、こうした鉱物の輸出に割当を課すことによって「ルールを破るのを許される」べきではないと主張した。 今回の提訴は、中国が直面している大きな課題――低賃金で製品を作る生産国から、活力のある、開かれた消費市場を持つ先進国に移行すること――から見れば、枝葉の問題だ。 だが、この一件は、中国が過去30年間に「メード・イン・チャイナ」政策によって得た信頼が消滅したことを示している。 失われた信頼 中国は次の機会をとら