(英エコノミスト誌 2012年3月31日号) 急成長を遂げる台湾の電機大手が業績不振の日本の電機大手の一部を取得する。 台湾には、著名ブランドを持つ企業のために電子機器や部品を生産する、多くの人が聞いたこともない無名企業が集積している。そうした著名ブランド企業の1社であるアップルの圧倒的な成功により、台湾の無名サプライヤーの1社で、すべての「iPad(アイパッド)」と大半の「iPhone(アイフォーン)」を組み立てている鴻海精密工業は他社ほど無名ではなくなった。 フォックスコンとしても知られる鴻海は3月27日、業績不振の日本の家電メーカー、シャープの株式の約10%を669億円(8億800万米ドル)で取得することに合意した。鴻海の郭台銘会長は他の投資家とともにほぼ同額を出し、大型液晶ディスプレイ(LCD)パネルを生産する堺工場のシャープの持ち株93%の半分を買い取る。 日本産業の衰退と中国産