(英エコノミスト誌 2012年7月28日号) 米国の最大の国内問題について有益な議論が始まったが、その内容はコミカルなほど底が浅い。 米国大統領選挙の中傷合戦の中で、重大なテーマが姿を現し始めた。政府はどのような役割を演じるべきか、というテーマだ。 現大統領のバラク・オバマ氏は7月に入り、起業家は自身の力のみで成功するのではなく、道路や橋など、社会が建設し、商業を可能にするインフラの世話にもなっていると発言し、物議を醸した。「誰かが企業を興したとしても・・・その人がすべてを築いたわけではない」と述べたのだ。 一方、対抗馬のミット・ロムニー氏は、国による施しを期待するならオバマ氏に投票すればいいと訴えている。 両者の立ち位置は、互いの中傷広告により歪められている。だが、2人の候補者に象徴される左派と右派の分裂は、現実に存在する。人生の大半を公的部門や学術界、コミュニティの活動に費やしてきたオ