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2013年7月14日のブックマーク (3件)

  • 幹細胞治療:鎖を解かれたプロメテウス

    (英エコノミスト誌 2013年7月6日号) 研究者たちは、臓器の再生という古くからの夢をまだ実現していないが、徐々に実現に近づいている。 ゼウスによって岩に縛り付けられた巨神プロメテウスは、毎日ハゲタカに肝臓をついばまれるという責め苦に耐えながら、結局、毎晩臓器が再生された。この光景に比べると、7月初めにネイチャー誌のウェブサイトに掲載された動画は、全く面白味のないものに見える。動画はピンク色の点の一群が濃い色の中央の塊に凝縮されていく様子を映し出している。 だが実際には、とてつもなく大きなことが起きている。ピンク色の点は幹細胞で、この動画は、いずれ肝臓のように見え、肝臓のような機能を果たし得る肝芽の成長過程を示している。動画を制作した横浜市立大学の武部貴則氏と谷口英樹氏は、機能的なヒト肝臓組織を作り出したのだ。 研究者たちは長年、幹細胞を使い、損傷した組織を修復したり、置き換えたりするこ

  • どん底への競争を繰り広げる欧州自動車メーカー

    (2013年7月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フォード・モーターの欧州部門を率いるスティーブン・オデル氏は、自動車工場の閉鎖がもたらすインパクトを嫌というほど知っている。昨年11月、フォードのベルギー工場閉鎖に腹を立て、棒やバットを手にした20~30人の従業員がドイツ・ケルンの経営陣のオフィスに押し入り、ガラス張りの壁を叩き壊してオデル氏の執務室のドアまで押しかけてきたのだ。 だが、欧州自動車市場が過去20年間で最悪の状況にあるなか、オデル氏は断固として、欧州大陸の自動車メーカーを苦しめている赤字を止めるためには、もっと多くの工場を閉鎖しなければならないと主張する。 「業界は壊滅的な縮小に見舞われている」。フォードの欧州、中東、アフリカ部門の会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるオデル氏はこう言う。「最終的には、企業にとって正しい決断を下さねばならない・・・重力と戦うことはでき

  • ドイツの選挙を巡る「沈黙の掟」 ギリシャなどの救済議論は本当にタブーなのか?

    (2013年7月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今後6カ月から12カ月のうちに、ドイツの納税者はまず間違いなく、ギリシャのために追加の救済資金を出すよう求められる。また、何か劇的なことが変わらない限り、ポルトガルのためにも追加の資金拠出を要求されるだろう。 そして、ギリシャ政府に対する既存の救済融資はどうなるのだろうか? ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ギリシャの債権者が追加の損失を負わされることはないと主張している。 ギリシャ向けの追加支援はまず避けられないのに・・・ だが、きちんと計算した人なら誰でも、このような「ヘアカット(債務減免)」なしに、ギリシャの債務水準を、約束通りに2022年までに国内総生産(GDP)比110%以下に引き下げることはほぼ不可能だということが分かるはずだ。ギリシャの民営化プログラムが2014年までに予定された45億ユーロを生み出す状態とは程遠いこと