朝日新聞EduA web版で「算数・数学 学びのヒント」を連載中の芳沢光雄・桜美林大教授は、「ゆとり教育」の弊害を指摘し、公式や解法の「暗記」に偏りがちな数学教育を批判してきた。そんな芳沢教授は、「数理資本主義」による日本再生や文科系学生の数学の必要性が叫ばれるなか、現状の高校数学に異を唱える。必要なのは、アラカルト方式で6科目に分解され、大学での学びに接続しない高校数学のカリキュラムの抜本的な見直しだ。 第4次産業革命に不可欠 スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表する「世界競争力年鑑」によると日本は、同年鑑の公表が開始された1989年から1992年まで1位を維持していたものの、2022年には34位まで順位を下げた。日本の国債発行残高は1000兆円を超える見通しで、アメリカがインフレ退治のために金利を上げる政策をとっても、日本は金利を上げられない。上げたぶんの利払い