東日本大震災で津波被害を受けた岩手県宮古市の姉吉地区で、陸地の斜面をさかのぼった津波の高さ「遡上(そじょう)高」が38.9メートルにまで達していたことが15日までに、東京海洋大の岡安章夫教授(沿岸域工学)の現地調査で分かった。 国内の津波の遡上高としては1896年の明治三陸地震=マグニチュード(M)8.2=の際、同県大船渡市で確認された38.2メートルを上回る観測史上最大規模となった。 東日本大震災ではこれまでに、宮古市の田老地区で37.9メートルの津波遡上高が確認されている。 岡安教授は「明治三陸級の巨大津波だったことをあらためて示す記録。今後の調査で、さらに高い津波のデータが出る可能性もある」としている。 現地調査は10~13日、東大などと共同で実施。海岸線から400~450メートル離れた山の斜面で、津波によって倒された樹木を確認した。姉吉地区を流れる川の上流で、津波により海岸から流さ