「ドラァグ」の語源は演劇にあり ドラァグクイーンは「drag(引きずる)」に由来すると言われている。きっかけは、16世紀後半のロンドン演劇界に遡る。シェイクスピアなどが台頭していた当時の演劇公演には貴族のパトロンが必要不可欠であり、単なる娯楽の場所である一方、教会との結びつきが強固だった。その結果、舞台を踏むことが許されたのは男性のみで、出演者のうち何人かの男性が異性に扮することがあった。男性らしい筋肉質な足を隠すために、当時の演者たちは床に「引きずる」ほど長いドレスを着用していたという。女性の役を演じる男性は、17世紀に始まった日本の歌舞伎などにも見ることができる。 「宗教と異性装の関係は切っても切り離すことができません。かつては女装をしているだけで逮捕をされたり、国によっては処刑をされる場合もあった。逆に、『両性的なものは神に近い姿である』という考えを示す宗教国家や、偶像崇拝がポピュラ