人間の意識や行動の拠り所となる文化には,大きな全体文化と同時に,その中に含まれる複数の下位文化があります。後者はサブカルチャーと呼ばれるものであり,社会を構成する下位集団ごとに固有の性格を呈しています。 代表的なサブカルチャーとしては,たとえば青年文化(youth culture)があります。いつの時代でも青年は,上の世代からしたら理解不能な独自の文化を創造します。それはしばしば世代対立を引き起こすのですが,当人らにすれば,うざったい年長者の支配や干渉から自分たちを守る保護膜の機能も果たしています。また,社会への適応に疲れ切った青年たちの「逃避」の場としての機能も有しています。