出張の移動時間の友として携行した本書、読み終えたもののどうしても再読したくなって二度読み、三度読みしてしまうぐらいに興味深い内容でありました。いわゆる「病める大国・アメリカ論」に類される内容でありつつ、テーマとして辺境の厳しい環境で歯を喰いしばって生活をする地元のアメリカ人やメキシコ人たちの苦境と葛藤。あるいは、豊かな地域に生まれ育ちながら、精神的に行き詰まり、自問自答しながら命を繋いでいく人々の記録と記憶が詰まっているのが本書『グローバル資本主義VSアメリカ人』(篠原匡・著)であります。 『グローバル資本主義VSアメリカ人』Amazonリンクはこちら 序章から、筆者のアメリカ大統領選に対する読み違えの懺悔があり、実は現実のアメリカ人が何を考えているのかを知りつつメディアが有利とするヒラリー・クリントンさんの勝利を疑わなかった経験を踏まえ、本書は始まります。冒頭に元吉烈さんの手によるものと