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2024年9月11日のブックマーク (3件)

  • 速水健朗の『STATUS AND CULTURE』評:サーストン・ムーアのステイタスはなぜ落ちないのか?

    速水健朗の『STATUS AND CULTURE』評:サーストン・ムーアのステイタスはなぜ落ちないのか? 僕が新潟で高校生だった頃、局地的なニューバランス(NB)のスニーカーブームが巻き起こった。国鉄が民営化されてJRになってまだまもない頃だ。上越新幹線の新潟東京間が1時間39分に短縮され、東京の近さが肌で感じられるようになった。とはいえ高校生のおこづかいでは、そう気軽に行けるものではなかった。僕らは、無駄に東京でしか手に入らないものに敏感になっていた。当時の新潟では売っていなかったNBのスニーカーをわざわざ東京で買ってはきはじめた天才がいて、それがきっかけで皆がNBをはき始めたのだ。 9月16日(月・祝)にデーヴィッド・マークス × 栗野宏文『STATUS AND CULTURE』のオンライントークショーを開催! 最初にはいたやつはもちろん、4,5番手くらいまでは、自分たち発信のブームと

    速水健朗の『STATUS AND CULTURE』評:サーストン・ムーアのステイタスはなぜ落ちないのか?
  • ありふれた野蛮と「けもの」の女――『ナミビアの砂漠』評

    べる女 おそらく町田駅だ。変な女が歩いている。建物の外壁にはマルイ百貨店のロゴがあしらわれている。ペデストリアンデッキは小田急とJRの駅舎をL字につなぐところだろう。カメラがズームする先で、人の波から一人の女は浮き上がる。バスターミナルのある地上階へ降りていく女が、汗を拭いているのか、日焼け止めを塗っているのかぺたぺたと首を触る。手も、足も、首も自分の身体のはずなのに、すべて子どもの着たサイズの合わない服みたいに彼女は絶えず乱暴に振り回す。これが主人公のカナだ。 カナはずっとなにかをべている。事のシーンだけではない。ガムだかグミだかをくちゃくちゃ噛み、キッチンではつまみいして、べていない時にもタバコを吸ったり、酒を飲んだり、飴を舐めたり、ストローを啜ったり、キスをしたり、吐いたり。いつも口に何かを詰めていないと気が済まないかのようだ。演じる河合優実という女優は、切長な目に筋の通っ

    ありふれた野蛮と「けもの」の女――『ナミビアの砂漠』評
  • ビレバンは俺を救いに来なかった - ←ズイショ→

    北海道のそこそこ田舎で育ち、やっとこさ吉野家とユニクロが町にやってきたのも僕が高校生になってからのこと。テレビ東京の映らない町でエヴァショックも起こらなかった教室で、僕は十代の青春を過ごした。 日頃、生活をしていて耳目に飛び込んでくるのは一辺倒な全国区のテレビ番組から得た情報・いわゆるメインカルチャーというべきものばかりで、カラオケに行くと野球部はLUNASEAやGLAYを歌い、サッカー部はB-DASHやSNAIL RAMPやキングギドラを歌い、バスケ部はサザンとミスチルを歌っていた(個人の見解です)。そのいずれにも馴染めずに自分が気持よく歌える歌をわからずにいた僕はつまるところの「歌が苦手な人」となった。今でも自分のことを「歌が苦手な人」だと思っているが、今では好きな歌をいっぱい知っていて楽しく歌えているから自分が「歌が苦手な人」だと思っていることが正しいのか間違ってるのかまるでわからな

    ビレバンは俺を救いに来なかった - ←ズイショ→