これは、もう読んだ人も、まだ読んでない人も、等しく「何言ってんだこいつ」と思って頂いて差し支えないのですが、僕のこの読後感を形容するならばと考えて最初に思いついたのは十三の齢にTHE BLUE HEARTSの『チェインギャング』を初めて聴いた時のあの感じ。俺が何にむかついて、俺が何を恐ろしいと思ってて、俺がどうして自分のことが嫌いなのか、俺が何かにむかついてることも俺が明日を恐ろしいと思ってることも俺が自分が嫌いなことも、せっかくずっと何一つ知らんぷりができていたのにいきなり理由まで含めて全てをいっぺんに知ってしまった気になった、『チェインギャング』を聴いた時のあの感じ。その感じを思い出して僕は、十三の齢の僕と三十の齢の僕が同一人物である可能性を肌感覚で理解して思わず後ろを振り返る。 僕が顔を向けている方が前ならば後ろはなんだ? 突然男が一人、舞台に現れたかと思ったらうんこうんこと連呼する