ラグビーワールドカップ・フランス大会が南アフリカの4度目の優勝で幕を閉じました。鍛え抜かれた選手たちが死力を尽くして戦う姿は感動と興奮の数々。ラグビーファンにとって、4年に1度の至福の毎日でした。 ただ、個人的に気になったのが、観客の審判へのブーイング。審判が応援するチームに不利な判定をしたり、反則が疑われるプレーがあるたびに、地鳴りのようなブーイングが起きました。 筆者は、2019年に行われた日本大会で5試合を観戦しましたが、1試合に1回くらいしかブーイングを耳にしませんでした。今大会の新しい動きと言えるブーイングについて、どう考えればいいのでしょうか。 ビデオ判定で誤審は減ったはずなのに 審判へのブーイングについて考える前に、ラグビーにおける審判の役割について、歴史の変遷を踏まえて紹介しましょう。 ラグビーは、計30人もの大男が広いグラウンドで80分にわたって猛スピードでぶつかり合う競