複数の小学校で発生した、1000人以上の大規模な集団食中毒。その原因は、焼きのりを細かく刻んだ「刻みのり」による、ノロウイルスの集団感染でした。 ノロウイルスって、もう流行は終わったんじゃないの? 乾燥しているはずの「刻みのり」で、ノロウイルスの感染が起こってしまうの?・・・きっと、そんなことを考えた人も多いはずです。この事例には、現代の食中毒における特徴や、重要な課題も含まれています。今回は、焼き海苔で起こった集団食中毒について解説しましょう。 2017年2月17日、東京の立川市にある小学校で、多くの子どもが下痢や嘔吐(おうと)などの食中毒症状を訴えはじめました。その報告数はどんどん増えていき、7つの小学校で1000人以上の集団感染が起こっていたことがわかりました。さらに、発症した複数の人の便からノロウイルスが検出されましたが、原因となった食材については特定できない状況が続きます。しか