かつてラジオはテレビの運営母体だった。TBSは1955年に「ラジオ東京テレビ」としてスタートしたし、ニッポン放送は2005年までフジテレビの持ち株会社的な役割を果たしていた。 運営母体だっただけでなく、ラジオは1950年代まで茶の間の主役だった。1952年にNHKラジオで連続ドラマ「君の名は」が放送されると、その時間帯は銭湯の女湯が空っぽになったという伝説すら残っている。 だが、1960年代以降はテレビが台頭し、ラジオが主役の座を奪われたのはご存知の通り。1990年代以降はBSやCSの放送が次々と開始され、ゲームやネットも普及したことから、ラジオのシェアはさらに侵食された。 テレビもネットなどに視聴者を奪われ、ゴールデンタイムの総世帯視聴率(HUT)は、1990年代後半の70%前後から60%強にまで落ちたが、ラジオはもっと深刻だ。1991年時点でラジオ業界の総売り上げは約2,400億円あっ
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